(第2話からの続きです)
青森の市街地の上には、春の到来を感じさせる青空が。人も列車も出会いと別れの季節。感慨深いですね。
海に向かって行き止まりとなっている青森駅のホームの線路。現在も青函連絡船時代の面影が感じられます。
一番端のホームである6番線から、スーパー白鳥19号函館行きが16時01分、函館に向けて出発しました。
青森の市街地の上には、春の到来を感じさせる青空が。人も列車も出会いと別れの季節。感慨深いですね。
やがて進行方向右側に青森湾・陸奥湾が見えてきます。やはり右の窓側席でよかった、と頷いた私がいました。
湾の向こうに見えるのは下北半島の恐山でしょうか。斧のように半島が突き出している様子がよく分かります。
一方、振り返って後方を眺めれば、湾の向こうに八甲田山系の山々が。これは本当に絶景だと思いましたね。
さて、列車は蟹田に到着しました。上りのホームには、スーパー白鳥とともに本日限りで姿を消す白鳥号が。
さらには2番線に津軽線の三厩行きのディーゼルカーも停まっていて、蟹田駅の構内は実に賑やかでした。
この蟹田は、かつては通過する特急もあったのですが、やがて昼行の全特急列車が停車するようになりました。
しかしそれもこの日まで。新幹線の奥津軽いまべつ駅はここから離れた所に建設され、蟹田には停車しません。
今後は編成の短い普通列車が発着するだけの、寂しい駅に転落してしまいます。きっと侘しくなるのでしょうね。
JR津軽線から津軽海峡線に入りました。まだ青森県内ですが、JR東日本からJR北海道の管轄に移行します。
と、ここで感動的な出来事が。線路の近くに白鳥の群れがいるではありませんか。私は思わず息をのみました。
シベリアの大地へと帰る白鳥の群れが、スーパー白鳥の最後の雄姿を見送ってくれているような気がした私。
偶然とは言え、ラストランの日にふさわしい白鳥たちの“おもてなし”に、もうすっかり心を打たれてしまいました。
右手前方に北海道新幹線の高架が見えてきました。緩やかにカーブを描きながら接近していき、合流します。
新幹線の線路に並びました。錆びてはいますが真新しい線路です。新幹線が走行を開始すれば錆が削られ、
ピカピカの線路になることでしょう。その一方で、今スーパー白鳥が走行している線路は貨物列車用になります。
奥津軽いまべつの駅舎を横目に見ながら走行し、青函トンネルに突入。海底下を疾走して北海道に入りました。
グリーン席だからでしょうか。ラストランの日とは思えないほど車内は静かです。函館まではあとわずか・・・(続く)
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