(第7話からの続きです)
私は当初、急行はまなす号のラストランには乗車できないものと思っていました。翌日に仕事があるからです。
しかし、やはりどうしても気になっていたんですよね。この機を逃したら、きっと一生、後悔するのではないかと。

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その後、無理すれば乗車可能と判断。そしてキャンセルされた指定席券を運良く入手し、この日を迎えました。
ゲットしたのは簡易リクライニングシートの通路側で、決していい席とは言えませんが、それでもよしとしました。

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いよいよその時が迫ってきました。青函トンネル開業後、毎日走り続けたはまなすが二度と帰らぬ旅に出ます。

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私が乗車している9号車はホームの後方のため、前方で行われている出発式の様子が見えなくて残念でした。
と、ドアが閉まったその時です。ホームに大音量で津軽海峡冬景色のイントロが流れ出したではありませんか!
これは本当に感動のサプライズでしたね。きっと多くの人々がウルウルしてしまったのではないかと思います。
(詳しくはこちらの動画をご覧ください)

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たくさんの人々に見送られ、最終の急行はまなす札幌行きが力強く出発。私もホームの人々に手を振りました。
車内ではあちこちではまなすの思い出を語り合うファンの姿が。旅人に愛された列車であることの証ですよね。
私は1人静かに思い出に浸っていたかったので、車内を歩き回ることもせず、じっと窓の外を見つめていました。

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眠ってはいないのですが、物思いに耽っていたら、いつしか青函トンネルを通過して北海道に入っていました。

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急行はまなす号や特急スーパー白鳥・白鳥号が駆け抜けたJR江差線は、道南いさりび鉄道に移管されます。
経営的には厳しくなることが予想されますが、これからは地域密着型の鉄道として頑張ってほしいものです。

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暗黒の車窓の向こうに、函館の街の灯りが見えてきました。夜行列車の車内から見る夜景もまたいいものです。

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0時44分、函館に到着しました。ラストランだけに乗客のほとんどは起きており、どっとホームに降りてきました。

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函館駅の出発時刻は1時23分。つまり、約40分間停車するのですが、この間も列車旅ファンは忙しいのです。

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まずは青森から牽引してきた電気機関車の切り離し作業が行われます。函館からは進行方向が逆になります。

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そして尾灯を意味する赤いランプが点灯。この機関車は、はまなす廃止後、廃車解体の運命だと思われます。
雨にも負けず風にも負けず、雪にも青函トンネルの湿気にも負けず走り続けた老兵よ、本当にご苦労様でした。

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一方、ホームの札幌側先端にも凄い人だかりができています。これから最後の大切な儀式が始まるからです。

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今度は青いディーゼル機関車が連結されます。このシーンをしっかりこの目に焼き付けておかなくては・・・(続く)