(前編からの続きです)
長い間懸案だった垂れ流し温泉を発見することができ、胸のつかえが取れたものの、新たな困難に直面した私。
いつも使用している塩ビパイプは口径が合わず、役立ちそうにありません。そこで少々強引な方法を試しました。

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現場の塩ビパイプの末端は、エルボと短管が絶妙に組み合わされているのですが、これを外せないだろうか?
一見、経年によって接続部が固く締まっている印象を受けたものの、ゴリゴリと動かしたら見事に外れました。

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そして、一度外したエルボ&短管セットを逆向きに装着。おお~、これはなかなかいい感じではありませんか。

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改めてたらいをセッティングすると、これがまさにジャストフィット!作戦は大成功です。我ながらよくできました。

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たらいにはピュアな源泉がドバドバと注がれていきます。これを源泉かけ流しで享受できるとは最高ですよね。
どうしても直接投入が難しい場合は折りたたみバケツの使用を覚悟していただけに、喜びは格別なものでした。

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一時期源泉の湧出量が減ったらしいのですが、この日は勢いよく大量湧出しており、あっという間に満タンに。

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いつもなら即行で入浴するのに、今回はたらいから溢れる源泉をいろんな角度から眺めてはいちいちため息。
それぐらい感慨深いものがあったんですよね。これまでの道のりは、決して平坦ではありませんでしたから。

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いったいどれだけの時間、この光景を眺め続けていたことでしょう。さすがにそろそろ入浴したくなってきました。

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う~ん、もう何も言えませんね。確かに温いのですが、かいた汗を流すのにちょうどいい、爽快な温度でした。
今日はもう今後の予定を全部キャンセルして、ずっとこうして鮮度抜群の硫黄泉を満喫しよう。そう決めました。

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ここは本当に不思議な場所です。森の中にあり、白濁した源泉の沼がどこか神秘的な雰囲気を醸し出します。

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さらに、すぐ側には岩を飲み込むようにして根を張って立つ樹木があり、悠久の時の流れを感じさせるのです。
まさにここは、異次元空間と言ってもいいかもしれません。私は次第に畏敬の念を抱くようになっていました。

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響き渡るのは鳥のさえずりと、時々吹く風が木々の葉を優しく揺らす音、そして源泉が奏でる単調なメロディー。
私にとってそれはまるで子守唄のようであり、たらいに身を委ねたまま、本当に眠りに就いてしまいそうでした。

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深緑の木々の隙間から白濁した源泉の沼に日が差し込んだ時、それは本当に“仙人湯”のように見えました・・・