(第2話からの続きです)
今までの経験から、自分にはB級温泉に対する免疫ができているものと思っていましたが、それは過信でした。
私としたことが、温泉施設を訪問してこんなにも動揺するとは。浴室に入ったら一体どうなってしまうのでしょう?

まずは、いつもの習性として温泉の分析表をチェック。あれれ、これは拍子抜けするぐらい普通の表ですねえ。
これが唯一まともな看板だったと言ってもいいかもしれません。源泉名は「須賀川ぼたん温泉」というそうです。

では、施設名である「ひばり温泉」の由来は?別に「須賀川ぼたん温泉」でも、かわいくていいと思うのですが。
私は聞いたことがありませんが、ここには「ひばり温泉」という名の野鳥がいるのだそうです・・・(そんなバカな!)

上の写真、光の反射により読みづらくて申し訳ございませんが、この看板もなかなか凄いです。以下原文です。
良質の結果アトピーに効果(一泊、日帰り)可 ひばり温泉朗報(うれしくなる事ばかり)
病気予防に大変効果と発表!
大病の手術後の病後回復を立証者。一晩にトイレに10回の苦しみ続けたが病院でも??。
ひばり温泉に一ヶ月続けて湯治 夜中のトイレ通い完治!!立証者の声々。

さらにはこんな看板も。病気やストレスが解消するというのは分かりますが、ホルモンも解消ってどういうこと?

こちらの看板では、「美容家」という肩書を持つ女性が「頭髪も毎日洗うと髪の毛が薄くなる」という持論を展開。

また、脱衣所には施錠できるロッカー完備で安心なのですが、ここにも衝撃的な看板が。これを見てください。
何と、鍵を紛失した場合、「3,000円のところ2,000円負担」となるそうです。鍵の弁償費用もディスカウント?
これを見て、お得感を得る客なんているのでしょうか。単に「2,000円負担」とだけ書けばいいのにねえ。

温泉に入る前に、もうヘロヘロになってしまった感がありましたが、気を取り直して浴室へと向かうことにした私。
しかし入口で再び息を呑んでしまいました。何とでかい看板なのでしょう。ドアが小さく見えるではありませんか。

軽い目眩を覚えながらも、いよいよ浴室に入りました。設備はなかなか充実していますね。浴槽も広々です。

湯口からは源泉がコンコンと投入。あれだけ看板で豪語していたのですから、かけ流しで間違いないでしょう。

しかし、浴室内でも怒涛の看板攻撃は続くのです。ひばり温泉の神様も疲れているのですね。お察しします。
「本人の健康に温泉を感謝」・・・もうこれぐらいのことでは驚かなくなってしまっている自分が怖い気もします。
泉質や浴感を確かめるために手のひらで体をさする人も多いと思うのですが、ここではそれは禁止だそうです。

「100%掛け流しのためレジオネラ属菌にも安心安全」・・・レジオネラ属菌をいたわっているかのような文章。
「加温・加水安心安全」・・・加温や加水をしないことは危険であるかのような文章。もう全く訳が分かりません。

アメ色のつるつる、するする。濃度のひばりの宿スーパー天然薬湯温泉。飲む、入浴、効果許可処。
1,000m地下の温泉の脈を調査、難工事が1年余。56度の高温が強力な勢いで砂も混ざって噴き上げ、
出湯口まで44度と42度の三つの浴槽に適温調整の入浴で疲労回復効果あるひばり温泉付き旅館。
宴会と入浴セットだから安く良心。
看板で酔いそうになったのはこれが初めてかもしれません。もちろん心酔という意味ではありませんよ・・・(続く)
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