(第3話からの続きです)
無事希望の席を確保した私は、出発時刻までの間、反対側の1番線から列車を眺めてみることにしました。

この列車が廃止されれば、ホームを発着するのは短い編成の普通列車だけになります。時代の流れですね。

わずか1日1往復ではありましたが、この車両が停車している時に限っては、ホームに活気が感じられたはず。
特急形車両というのはやはり在来線の花形なんですよね。今後はホームが無駄に長く感じられることでしょう。

外はあいにくの雨模様。これでは日本海の車窓もすっきりしないかもしれませんね。さあ、帰路のスタートです。

出発してすぐ、往路と同様デッドセクションを通過。車内の照明が消えました。やはり多くの乗客が注目します。
ただし、日中の走行だとあまりインパクトはありませんね。この区間における消灯経験もこれが最後になります。

ところで気になることが1つ。それは、窓の下に痛々しくテープで目張りされていたことです。どうしたのでしょう?
経年による車両の劣化で隙間風が入るようになったのでしょうか。これではグリーン席失格かもしれませんね。

名立に到着。この1つ手前にある筒石はトンネルの中にある駅として有名です。この快速は停まりませんけど。
えちごトキめき鉄道には全国的にも珍しいトンネル駅やスイッチバック駅があり、結構乗って楽しめる路線です。

待望の日本海が間近に見えてきました。鉛色の雲が厚く垂れ込め、海面との境があいまいになっています。
その荒涼とした様子はいかにも冬の日本海といった感じですよね。鋼鉄車両も潮風で相当傷んだことでしょう。

直江津に到着しました。北陸新幹線の金沢開業により人の流れが大きく変わり、ガランとしてしまった駅です。
ここからJR東日本の車掌さんが乗務します。直江津出発後、放送による485系車両の紹介が行われました。

柿崎付近から再び日本海が間近に迫ります。やはり頑張って2Dの席を確保して本当によかったと思いました。

柿崎から柏崎までの区間では、しばらく単調な海岸線が続いたと思ったら、その後荒々しい岩石海岸に一転。
その景観変化は一見の価値ありだと思います。有名な撮影地もあり、多くの撮り鉄さんが集まったことでしょう。

柏崎に到着しました。ここから線路は海岸を離れ、内陸部へと向かいます。海岸沿いには越後線が分岐します。

柏崎を過ぎると車窓が雪景色に変わりました。越後平野との境をなす丘陵が近づくにつれ、雪が深くなります。
雪とともに消える国鉄時代の特急形車両。思い出を踏みしめるように、雪原の越後路を駆け抜けます・・・(続く)
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