先日、出張で大分県に行って来ました。大分では3泊しましたが、職務に専念したことは言うまでもありません。
しかしその間隙を縫って温泉巡りをすることができましたので、今日からしばらくの間、シリーズでお送りします。

新潟空港から航空機を利用して福岡空港へ。その後、JRの特急ソニック号に乗車して大分に到着しました。
大分に来るのは寝台特急富士号の惜別乗車以来ですが、再開発が進んで駅舎は随分様変わりしていました。

駅周辺の再開発も進行していましたが、その一画に、そこだけ時間が止まったままのような場所がありました。

この昭和レトロ感満載の建物。これこそがお目当ての温泉、「あたみ温泉」です。こんな温泉があったんですね。

玄関脇の看板もかなり年季が入っています。文字もイラストも色褪せてしまっていますが、いい味出てますね。

「あたみ」は平仮名での表記。地名とは直接関係がないようです。一体、何に由来する源泉名なのでしょうか。

この温泉、渋い建物もさることながら、泉質が抜群で、しかも湯の使い方がすこぶるいいとの評判があります。
そこで大分へ行ったなら、是非とも入ってみたいと思っていました。大分駅から近いというのも好都合でしたね。

中に入ると、番台が健在。料金は380円で、別府の公衆浴場が軒並み100円であることからすると高めです。

建物内は骨董品級の備品がオンパレードです。まずはこのニス塗の下駄箱が激渋。もうしびれてしまいました。

さらには大きな算用数字が書かれた脱衣ロッカーが圧倒的な存在感を放ちます。ちなみに4と9が欠番でした。
ほぼ直角のマッサージチェアも泣けてきますよね。木の床板も味わいが深く、すっかり魅了されてしまいました。

脱衣所がこんなにも素敵なのですから、浴室もきっと期待を裏切らないことでしょう。テンションが上がります。

お~、これは素晴らしい。造りはごく標準的な温泉銭湯ですが、浴室内を支配するタイルが本当に見事でした。

カランは配管が剥き出しの状態。赤と青のボタンも懐かしいですよね。これだけも十分ポイントが高くなります。

長方形の湯船には仕切りがあり、漢字の「日」の形をしています。写真の手前が熱め、奥が温めの設定でした。

そこに温泉マニアであれば絶対に見逃すことができない秀逸なアイテムがありました。それはこの湯口です。
ライオンは今は使われていないのか湯を吐き出してはいませんでした。私が気に入ったのはライオンではなく・・・

この鯉の湯口です!そのつぶらな瞳がもう何とも言えませんでした。よく見ると、湯の吐き出し方が滑稽ですね。
ここから熱い源泉が投入され、仕切りを越えて溢れた湯が隣の温めの湯船に流れ込む仕組みになっています。

湯は美しいウーロン茶色をしており、芳しいモール臭を放ちます。大分市内にもこんなにいい温泉があるとは。
しかも、ここがJR大分駅から徒歩1~2分って信じられます?さすがは「おんせん県」、なかなか侮れません・・・
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