鶴の湯を後にした私は急いで次の野湯に向かいました。自由に使える時間はごくわずか。時間との戦いでした。

次の野湯も、車で近くまでアプローチできます。しかも、途中には丁寧なことに案内看板が設置されていました。

舗装道路が途切れ、今にも車の腹を擦りそうなガタガタ道に大苦戦。それでも素晴らしい眺望に心奪われます。
先ほど入浴した鶴の湯を俯瞰できるポイントでしばし休憩。彼方には別府湾の雄大な眺めが広がり絶景でした。

本当にこの先にお目当ての温泉があるのかどうか不安になってきた頃、車を数台停められるスペースが出現。
例の注意喚起用看板が設置されていることからしても、ここが野湯の入口であることは間違いなさそうですね。

車を置き、その先は徒歩で進むことになります。鶴の湯よりもいっそう秘湯感の高いロケーションに大興奮です。

あっ、あそこでしょうか。沢を見下ろしたその先に、簡素な小屋が見えました。風景に巧みにとけ込んでいます。

坂を下っていくと、そこには素敵な野湯が待っていました。渓流沿いのなかなかワイルドな立地条件にあります。

この野湯は「蛇の湯」と呼ばれています。「へび湯」、または音便形で「へびん湯」と表記されることもあります。
こちらの野湯も、常連さんによってきれいに管理されています。感謝の意を表しつつ、入らせてもらいましょう。

鶴の湯にあったのとそっくりな小屋には脱衣用の棚があって便利です。まず小屋の前に湯船が2つありました。

さらに沢の下流側に、階段状に湯船が2つ。上流側から下流側へ湯が流れ込む仕組みになっているようです。

その先は手つかずの渓流。夏の深緑、秋の紅葉の時季にはどんな風景に変わるのでしょう。いい佇まいです。

複数ある湯船のうち、私が一番気に入ったのは最上流に位置する湯船です。湯がきれいで、熱めでしたので。

その湯船には、4本のパイプで高温の源泉と沢水がコンコンと注がれています。加水はまあ仕方ありませんね。

源泉の温度はパイプの出口で53.1℃でした。冬なら加水しないでも自然冷却で適温になりそうではあります。

沢水とのブレンドにより湯船の中央付近では44.8℃と熱めの適温。ではここにじっくり浸かることにしましょう。

なお、こんな休憩用のベンチもありますので、沢筋を吹き抜ける風でクールダウンすればリフレッシュできます。

ああ~、もう何も言うことはありませんね。深さも十分あって、肩までしっかり浸かることができました。大満足!
さて、これで別府の野湯は2つを無事クリア。残るはもう1つなのですが、そこには行ってもいいものかどうか・・・
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