別府には、「鶴の湯」・「蛇の湯」の他に、もう1つよく知られた野湯があります。それは「鍋山の湯」といいます。

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鶴の湯で出会った地元の方に、「鍋山の湯は今はもう入れないのですか?」と尋ねると、「入れるよ」と回答。
「ただし、手入れされていないから汚れていると思うけどね」とのことですが、私はトライしてみたくなったのです。

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もう入れないと思っていたので、実はあまり下調べをしてこなかったのですが、記憶を頼りに探索をスタート。
目の前には荒々しい光景が広がり、武者震いがしてしまうような、緊張感が漂います。無事に発見できるかな?

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すると早速こんな光景に遭遇。何とポリバスが置かれているではありませんか。思わず興奮して駆け寄ります。

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しかし、注がれているのは冷水。では何のために置かれたのか。でも、岩石やポリバスが変色していますので、
タダモノならぬ水であることは間違いないと思います。時間があれば一応入ってもいいのですが、今回はパス。

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このガレ場を登っていきます。植生が見られないのはなぜでしょうね。地熱の影響なのか、それとも崩落なのか。

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目標物に乏しく、ほとんど直感に従って進んでいった感じだったのですが、何やら人が踏み分けた跡を発見。
この先にお目当ての野湯がきっとあるに違いない。そう確信し、早足で前進。するとその先に見えてきたのは・・・

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わ~、あったあった。これですよこれ、探していた湯船は!当初は諦めていただけに、感激もひとしおでしたね。
それに、汚れていると聞いていたのに意外にもきれいな状態だったので、私はさらに興奮してしまったのでした。

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しかし、まだ安心はできません。ネット上には「熱くて入れなかった」という報告もあることを知っていたからです。
2つある湯船のうち、上の湯の温度は58.5℃と激熱。これではさすがに私も入ることはできません。しかし・・・

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下の湯船では42.6℃と惚れ惚れとするような適温。これなら一般の人だって楽々入れますよね。素晴らしい!

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源泉は、先人が持ち込んだ黒いホースによって上方の湯船にコンコンと注がれています。追跡してみましょう。

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すると、岩の割れ目から高温の湯がグツグツと湧出しているポイントに到達。別府の実力を改めて実感します。

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ホースの出口で温度を測ると、86.1℃もあるではありませんか。これなら真冬でも十分過ぎる温度ですよね。

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ここで温泉卵を作って楽しんでいる人もいるようですね。事前に分かっていれば、私も卵を買ってきたのになあ。

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でも、ここに到達できただけでもよしとしなくては。大地の営みと、先人の功績に感謝ししつつ、入浴準備を開始。

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目の前には大パノラマが広がります。そそり立つ山の姿に、自然への畏怖を感じずにはいられませんでしたね。

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あ~、極楽というのはこういうことを言うんだよなと頷いた私。できればいつまでもこうしていたかったのですが、
もう時間がありません。それにここには長居してはいけないという思いもあり、すぐに下山することしたのでした。
本当はさらに上に行った所に別の湯船があるはずなんですけどね。これは次の楽しみに取っておきましょう・・・