それは勘を頼りに森をさまよっていた時のことでした。茂みの向こうから、沢水の流れる音が聞こえたのです。

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もちろん飲み水は持っていましたが、動物としての本能なのか、私は音のする方へ藪をかき分けていきました。

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すると、そこにはゆっくりと流れる小川が。淀んでおり、音を立てるはずもありません。では、あの音源はどこに?

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周囲をよく観察すると、淀んだ小川に沢水が流れ込んでいました。私の耳に聞こえたのはこれだったんですね。

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しかし、私はすぐに異変に気づきました。これは単なる沢水なんかではありません。そっと手を差し伸べると・・・

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熱っ!この時は本当に驚いて、思わず大声で叫んでしまいました。何と57.3℃もある天然温泉だったのです。

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しかも、強力なアブラ臭をこれでもかと放っているではありませんか。実際、小川には油膜が泳いでいました。

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う~ん、偶然とはいえ、もの凄い温泉を見つけてしまいました。そう、この存在は現地で初めて知ったんですよ。

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さらに調査を続けると、源泉は遠く離れた所から流れ込んでいるのではなく、この場で湧いていることが判明。
アブラ臭のする優良な温泉が、こんな場所にコンコンと湧き出ているなんて・・・不思議といえば不思議ですよね。

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こんなにも素晴らしい温泉を見つけたからには、入らない訳にはいきません。私は意気揚々とたらいをセット。
ただし、置き場の選定にはかなり苦労しました。源泉の湧出地点がかなり低いので、結局川の中に置くことに。

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今回も折りたたみバケツ作戦でいこうと決めました。作業中もアブラ臭がプンプンで、テンションが上がります。

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さあ、湯が溜まりました。最初ほぼ無色かと思われた温泉は、たらいに入れてみると美しい黄土色を呈しました。

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いや、黄土色なのはあくまで湯の表面だけです。そこにはまだら模様の油膜が赤潮のように浮かんでいました。

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しばらくそのまま放置して湯を自然冷却します。どれだけ経ったか忘れましたが、やがて50℃を下回りました。

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あ~、もう最高ですねえ。泉質は言うまでもなく抜群。この温泉を商業利用できたらどんなにいいことでしょうか。
こんなにもいい温泉に巡りあうことができ、本当に感激しましたね。私の元気も、泉のごとく湧き出しました・・・