明確な定義はないみたいですが、一定の範囲内に複数集まっている温泉地を総称して「温泉郷」と呼びます。

さて、とある温泉郷を訪れた私。しかし、ここが温泉郷であることを示す看板の類は一切見当たりませんでした。
その代わり、1つだけやけに目立つオブジェが。「温泉郷へようこそ」とお出迎えする、女神の像ということかな?

しかし、像の台座にも温泉の表記はなし。「STEP1」と書かれているのですが、これは何を意味するのでしょう?

しかも像が建っているのは川の縁。今にも川に身投げしそうな様子で佇むその様は、少し気味が悪かったです。

気を取り直して探索を再開したのですが、民家が点在する、どう見てもごく普通の農村風景が広がっています。
本当にここは温泉郷なのだろうか・・・私はすっかり懐疑的な気分になってしまっていました。しかし、その時です。

私の中のセンサーが敏感に反応しました。コンクリート製の小屋と、そこから伸びるパイプ。この建物、怪しいぞ。

さらに奇妙なことに、小屋からのパイプが路肩の地中に消えています。パイプラインが埋設されているのかな?

しかし、私が最も心を奪われたのはこの光景です。これを見た瞬間、ここを温泉郷と呼べるのかはさておき、
ここは間違いなく温泉地であると確信したのでした。保護色のようで分かりづらいですが、よく見てみてください。

おそらく石灰岩と思われる石垣に据え付けられたパイプから、ドバドバと温泉らしきものが垂れ流されています。

興奮を抑えつつ温度を測定してみると、37.0℃でした。冬には加温が必要ですが、真夏ならこれで十分です。

やはりこの小屋は源泉小屋なのでしょうね。周囲をよく観察すると、温泉の湧出ポイントは複数あるようでした。

では、早速準備に取りかかりましょう。都合よく平坦地があるので、そこにたらいを置き、塩ビパイプで湯を投入。
ただし、塩ビパイプをずっと手で支え続ける必要があったため、湯がたらいに満タンになる頃には手が痛くて。

さあ、準備完了です。元々の源泉パイプの口にべっとりと付着していた温泉成分が湯花となって舞っています。
網で除去しようかとも思いましたが、濃厚な温泉であることの証なのですから、このまま気にせず入りましょう。

うわ~、超気持ちいい!なんてったって、猛暑日だったので温度が気持ちよかったのは言うまでもありません。
驚いたのはその泉質です。まるでローションのようにぬるぬるするではありませんか。不思議な温泉郷ですね・・・
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